歴史・ノンフィクション

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【水の城ーいまだ落城せず】風野真知雄

水の城ーいまだ落城せず

【のぼうの城】と同じ忍城合戦記から題材をとった歴史小説。
西日本を手中にした豊臣秀吉が、小田原の北条氏を倒すべく大軍をひきつれて関東に進出してきた。
大軍勢で押してくる豊臣勢に、関東勢は次々と落城を余儀なくされていく。
北条配下の忍城には、秀吉の懐刀・石田光成の率いる軍が押し寄せる。
光成は兵力を頼みに、落城には二日と半、と宣言。ところが、この忍城、1ヶ月以上もちこたえてしまうのだ。


キャラクターで読ませる【のぼうの城】に対し、こちらは合戦の流れ・地形の様子などがていねいに書かれていて分かりやすい。
忍城城代・成田長親、甲斐姫の性格は、【のぼうの城】と通じるものがあり、
実際に、長親はのらりくらりとした印象をもち、甲斐姫は苛烈な女性だったのだろうと思われる。


湖沼に囲まれた城の構造のためなのか、にわかに集められた百姓中心の軍勢に、空回りさせられる石田三成。
敵将・成田長親のとらえどころのなさに焦り、次々とやってくる味方の援軍にも自分の無能さをさらしているように感じて、さらに焦る。
ドラマ「天地人」の石田三成=小栗旬はハマり役。読んでいる間、光成は小栗旬の顔で登場してきました。
(2009.12月8日読了)

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【のぼうの城】和田竜

のぼうの城
西日本一帯を制覇した豊臣秀吉が、その勢いをかって小田原の北条氏制圧に乗り出した。
現在の埼玉にあった忍城も、この戦いに巻き込まれてしまう。 忍城は、戦乱にもまれ続けてきた小規模な城。 その城が、たった500騎の兵力で、石田三成率いる25000の軍隊を迎え撃つこととなってしまった。
圧倒的な軍事力の差、いったいどうやって戦うのか。
地勢を活かし、心理戦にもちこみ、あらゆる隙を狙って、大軍勢を混乱させてゆく忍城の大将たち。 わくわくさせられる戦国記。


忍城方の総大将は、残念なくらい不器用な大男、のぼう様。
「のぼう」とは「でくのぼう」の略。百姓にいたるまで「のぼう様」と呼んでいる。
このちょっと得体のしれない「のぼう様」をたてて、自信満々血気盛んな家臣たち、百姓までが意気軒昂と戦いにのぞむ。
活き活きした人物たちの活躍が、あっぱれで、爽快。
この話、しっかりと検証された史実。 こんな合戦があったことにびっくり。
(2009.11月7日読了)

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【槍ヶ岳開山】新田次郎

槍ヶ岳開山
江戸時代後期、槍ヶ岳の開山に尽くした播隆上人の生涯。
米問屋の手代・若松は、愛妻・おはまとの幸せな生活を送っていたが、百姓一揆にまきこまれ、おはまを自身の手で過って殺してしまう。 間もなく一揆の荷担者として国を追われた若松は出家し、修行僧・播隆として、おはまの最期の姿に苦しめられながら、許しを請い続ける。 そして、いつしか槍ヶ岳の頂に、おはまの姿を求めて、苦しい登攀に挑むようになる。


播隆とともに出国した弥三郎が、播隆と奇妙な関わりを持ち続け、ただの英雄伝説に終わらない深みを出している。 金と色にばかり生きる弥三郎だが、彼の人生もまた、おはまと若松への償いに追われていたのだった。


播隆上人のおはまへの煩悩を生々しく描きながら、人物描写は無造作に筆をおいた絵のよう。
甘さを感じさせない歴史小説。 最近は、キャラクターを描きすぎて、甘口な歴史小説が多いけれど、やっぱり辛口はいい。
(2009.10月30日読了)

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【遺品整理屋は見た!】 吉田太一

遺品整理屋は見た!


遺族に代わり、故人の部屋の片づけを引き受ける専門業者である著者が、
実際に体験した46の話。死後数時間から数十日まで、著者にくる依頼は、
現状や昼夜を問わない。そこには、様々な人間ドラマが隠されている。


「死後の葬式代くらいは残しておかないと」 とは良く聞く話ですが、実際は
遺品の整理や部屋の処理等の費用も必要です。何より、死後数日くらいで
見つけて頂ける環境を作っておかないと、お互いの不幸になることがよぉく
わからせて頂ける貴重な一冊。今から準備しても決して遅くはありません。

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【ドキュメント 滑落遭難】羽根田治

ドキュメント 滑落遭難
羽根田治氏のドキュメント【道迷い遭難】 【気象遭難】に続く3冊目。
表紙も南アルプス・大キレットの鋭い稜線。おそらく私には縁のない世界が舞台の中心。


少しでも気を抜くと踏み外す細く険しい登山道。そもそもこれを道というのだろうか?
足を滑らせたら、そこから命の保障のないジェットコースターが始まる。
6つのドキュメントの中で、生きて還った人の方が多いのが不思議なくらいだ。


巻末に『近年の事例 埼玉県警山岳救助隊からの報告』という章があり、
こちらは、比較的普通の登山者の滑落遭難の例があげられている。
その多くが、道に迷ったあげくの滑落。もしくは、下山途中での滑落事故。
気を抜くと転んでケガをするのは、高尾山でも例があるし。油断大敵。
(2009.10月26日読了)


オマケ <剣岳 カニのヨコバイ>

鎖のついた崖にしか見えません。これをほんとに道というんでしょうか。

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