
道警の不祥事を受けた大移動で、札幌の刑事課から十勝平野の小さな町の駐在所に移動となった川久保巡査。
逸脱 / 遺恨 / 割れガラス / 感知器 / 仮装祭
五つの短編の中で起こる、それぞれの事件。
表面上はのどかで平和な田舎町の隠された姿を、元刑事の勘が探り当ててゆく。
次第にハードになってゆく田舎町の事件。そのなかで、ホロリとさせられる川久保巡査の情の篤さ。巡査という立場ゆえ、表立った捜査ができない川久保巡査。それでも、真相究明に動こうとする。最後の「仮装祭」で、まさに「仮装」していた町の有力者たちの姿には驚かされた。
この川久保巡査の話は【暴雪圏】へと続いていく。
あいかわらず、事前の情報収集がなってなくて、読む順序が逆でしたが、【暴雪圏】と【制服捜査】では面白さのツボが違っていました。
こちらの方は社会派、【暴雪圏】はサスペンスですね。
(2009.1月25日読了)
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『うたう警官』で著者の新ジャンルでの復活を感じたものだから昨年発表のこの『制服捜査』を手にとった。「これが本物の警察小説だ!」と帯封にあったが、本物か...
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春を目の前にした3月。十勝平野の小さな町。午後からの爆弾低気圧到来の予報。
その朝、志茂別町駐在所勤務の川久保巡査部長に、町外れで遺体発見との一報が入る。
そして天候の悪化とともに、次々と発生する事件。
暴力団組長宅を襲った2人の強盗、不倫中のカップル、会社の金を横領した男、家出少女、、、
あらゆるものが雪に閉ざされていき、町外れのペンションに事情を抱えた人間たちが集約する。
手に汗握る感じでいっきに読んでしまった。ドキドキの展開の主人公は、雪と風。
朝から夕方になるにつれて猛威を増し、ついに戸外に出ることもできなくなる。
もちろん車も使えない。閉じ込められれば、凍死もまぬがれない。
そのなかで事件が進行していくので、ドキドキしてしまうのだ。うまいなあ、この設定。
志茂別町駐在所勤務・川久保巡査部長のシリーズ2冊目。
1冊目の【制服捜査】も予約入れました。
(2009.12月28日読了)
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昭和二十一年、野崎と寺久保は共に取り組んだ富士製鉄室蘭工場のストライキの
同時期に男の子を授かった。それから三十年後、それぞれの息子が初めて出会う。
寺久保は初当選した社会党の国会議員として、野崎はその第一秘書として――。
父親の急死での身代わり立候補で初当選した寺久保にとって、裏選対を仕切った
野崎は党から押し付けられた秘書だった。だが、幾多の軋轢を乗り越え両輪となり
政権交代へと邁進する二人に、千載一遇の機会が訪れる。
「今だから出版できたのかも」と、友人てろちゃんに勧められて読みました。確かに
実在する個人や団体の固有名詞がここまでリンクして書かれたものってあったか?
読んだことがない。寺久保と野崎の役割分担が明確で、まいた種を確実に収穫し
終盤は一気に雪崩れ込み、ざっくり終わる。無駄を感じない面白さでしたw
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潜水士の宇佐美は友人の赤嶺に誘われ、太平洋戦争中に島の沖に沈んだ
戦闘機の引き揚げのために、赤道直下の小国・ポーレア共和国に入国した。
しかし、ポーレア共和国は大統領が国際会議出席のため不在、大統領派と
反大統領派の対立が、臨界点に達しつつあった。空港から紛れたケースに、
受信した暗号文のようなファクシミリ。不審が続く中、赤嶺が殺された。
主人公の潜水士が、小国のクーデターに巻き込まれていく話です。それが
被害者的ではなく、友人が殺された前後の事象からコトを予想し、自分の
信念で行動する。主要人物も受身な人物はなく、それぞれ自分の行くべき
道を進んでおり、個人的には新しい感覚のクーデター小説でした。
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幻想的な画風の画家・守谷順一と素人芝居の舞台女優・・久美は、北海道の小さな
町に移住した。二人は、隣人で古くからのその地の地主であり、果樹園を営んでいる
円城夫婦と知り合い、守谷は夫人に、久美は円城にとひかれ、二組の夫婦は次第に
関係を深めていく。一方、円城のコテージの撮影を煩く頼み込んでいた写真家の死、
少女の失踪、森から聞こえる狼の叫びに、いつしか守谷は円城と狼を重ねていく。
守谷と久美の二つの視点から、全く反対の視点で話が進んでいきます。その結果、
事件の解釈や真相が真逆で、はたしてどちらが真相か。“狼をめぐる恐怖をテーマに
二重視点で描くホラーミステリー”とあったのですが、ホラーは感じられませんでした。
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