伊坂幸太郎

星野一彦は二週間後に〈あのバス〉に乗ることになっている。 バスの行き先は分からない。 借金の返済ができなくなり、しかも何者かの逆鱗に触れてしまったことで、バスに乗せられ、どこかへ連れて行かれることになっているのだ。ろくな目には合わないだろう。 しかも。 星野には、2ヶ月前から、マツコ...じゃなかった、繭美という怪物めいた巨体の見張 …続きを読む
たこΩ
(2011年6月25日)

高校生の由紀夫には4人の父親がいる。 義理の、ではない。4人とも自分こそが由紀夫の本当の父親だと信じている。 母ひとり子ひとり父4人の6人家族。家に友だちをよぶこともできやしない。 〈あとがき〉に、この本は第1期作品の最後にあたると書かれている。 第2期は【ゴールデンスランバー】以降になるのだそうだ。 明るくて軽妙な語り口と、勧善懲 …続きを読む
たこΩ
(2010年9月24日)

主人公の一人、家電量販店のエアコン売り場に勤める遠藤二郎は、副業で「悪魔祓い」をしている。人の不幸を放っておくことができない体質が、彼に「悪魔祓い」をするよう仕向けている。 もう一人の主人公、五十嵐真はシステムの欠陥の原因を突き止めることが仕事。エラーの原因がどんなに離れたところにあっても、徹底的に追っていく。 まるで関係のない2人 …続きを読む
たこΩ
(2010年7月26日)

ファンタジー?寓話? 伊坂幸太郎が作風を変えたと話題の一冊。 これまで作品の舞台だった「仙台市」が「仙醍市」と名前を変えているのも気になる。 セ・リーグ万年最下位「仙醍キングス」の熱狂的なファンである両親のもと、 優秀な野球選手となるべく生まれ、成長した、山田王求。 王求は、ただのプレーヤーなどではない。「王」なのだ。 いばらの道を …続きを読む
たこΩ
(2010年3月27日)

プログラマーの渡辺拓海は、他社の開発したネット上のシステム改良の仕事を請ける。 修正はごく簡単なものであるにも関わらず、前任者は、仕事を投げ出したまま、失踪していた。 不可解なプログラムに向き合ううち、それが特定のキーワードを検索した人間を特定するために開発されたものだと気づいた… 『播磨崎中学校 安藤商会 小林友里子』 検索した人 …続きを読む
たこΩ
(2009年10月17日)

【陽気なギャングが地球を回す】の続編。 銀行強盗の4人組は、それぞれの日常の中でも、やっかいな出来事に首を突っ込んでいる。 彼らの関わる小さな事件は、やがて関係をもちはじめ、 ひとつの大騒動へと広がっていく… こじゃれた軽口の応酬が、さらにヒートアップ。 バラバラな事件が絡み合っていく展開も、存分に楽しませてくれる。 時代劇を思わせ …続きを読む
たこΩ
(2009年9月30日)

5年前の大混乱が、ようやく落ち着いたかに思える「現在」。 仙台北部の団地。住人たち一人一人が、平凡で幸せな「今日」の意味を探り続けていた。 相方のシカフが、『通常では有り得ない事態の上に日常が乗っています。その事態が何かを、書いてはいけないと思うのです。』などというものですから、あらすじが書けません ^^; 終末のフール/太陽のシー …続きを読む
たこΩ
(2009年9月15日)

システム・エンジニアの安藤は、ある日、自分の不思議な力に気付いた。 人に自分の念じた言葉を喋らせる、腹話術のような力。 日本の景気は悪化の一途をたどり、不穏な空気が少しずつ広がっていく。 そんな中、カリスマ議員・犬養の首相選出馬。力強い犬養の演説に夢中になってゆく人々。 犬養の影響力に、警戒を強めていく安藤。 『お父さん、魔王が今、 …続きを読む
たこΩ
(2009年9月 2日)

四月。大学1年生のクラスでの飲み会の席。 北村に声をかけてきた、ヤマセミのように髪を立たせた鳥井。 遅れてきて、場の空気を無視して演説を始めた、小太りの男・西嶋。 無表情なまま、クラスの男子に囲まれている長髪の美女・東堂。 そして、鳥井と中学の同級だったという、おっとりとした女の子・南… この男3人女2人が、おかしな事件に巻き込まれ …続きを読む
たこΩ
(2009年8月26日)

パンク/チルドレン/レトリーバー/チルドレンⅡ/イン 5つの短編からなる、長編小説。 周囲を辟易とさせながらも一目を置かせる、予測不能な男、陣内。 大学時代に遭遇した銀行強盗、家庭裁判所での活躍(暗躍?)、、、 陣内をめぐる友人や同僚が語る、陣内が起こした「奇跡」。 『大人が格好良ければ、子どもはぐれねえんだよ』と、 家裁調査官とし …続きを読む
たこΩ
(2009年7月23日)

深夜の動物園、檻の前で眠る男。彼がそこにいる間、動物園には不思議な活力が漲る /動物園のエンジン 行方不明の男の捜索依頼を受けた黒澤が、仙台南郊の僻村に赴く。 その村には、形骸化した人身御供の風習が残されており… /サクリファイス 売れないパンクバンド「逆鱗」の最後の曲の、謎めいた無音の部分。 奇妙な偶然から、世界を救うことになった …続きを読む
たこΩ
(2009年7月13日)

    魔王/呼吸 会社員の安藤は、ふとした拍子に自分の力について確信した。念じれば、相手が必ず 念じた言葉を口にする。その力を『腹話術』と名付けた安藤は、有効範囲を確認するが 弟・潤也に体を心配され、自身も『腹話術』の副作用なのか息苦しさを感じていた。 一方、カリスマ的な政治家が現れ、世の中は彼に流されていく。流されない木のように …続きを読む
シカフ
(2009年7月 5日)

『胸の谷間にライターをはさんだバニーガールを追いかけて』… 夢から覚めると、 幕末以来下界との往来を拒んだ、仙台沖に浮かぶ「萩島」の、アパートの一室。 未来を見通すカカシの優午をはじめ、奇妙な人物ばかりが登場する。 これは、ルイス・キャロルのアリスの仙台版??? 今夢中になって読んでいる伊坂幸太郎のデビュー作。 荒唐無稽な島の住人た …続きを読む
たこΩ
(2009年6月23日)

動物園のエンジン/サクリファイス/フィッシュストーリー/ポテチ 黒澤の副業は探偵だ。依頼を受けた人探しのため、山奥の小暮村を訪れた黒澤は、 その集落に江戸時代から続く、生贄の風習に巻き込まれる。/サクリファイスより。 泥棒の今村は忍び込んだ家で助けを求める留守電を聞き、その相手に会いに行く。 だが、話に不信感を覚えた今村は、黒澤に相 …続きを読む
シカフ
(2009年6月21日)

金に飽かせた人生を送る画商。隣には不機嫌な美女。 独自の倫理観をもつクールな泥棒。 自殺した父親の影をひきずり、神に救いを求める大学生。 配偶者を殺す計画を企む、サッカー選手と精神科医のW不倫カップル。 不採用通知を受け続ける無職の中年男。ついに40社目からも断られ… 彼らの「特別な日」が絡み合う、一冊の「騙し絵」。 単行本の表紙に …続きを読む
たこΩ
(2009年6月19日)

市内で起きている連続放火と、壁に描かれた英文の落書きの間には、ルールがある。 弟の春から、事件の謎解きを持ちかけられた泉水。 放火と落書きに隠された、遺伝子の塩基配列。 事件の謎を追う泉水がみたものは… 知的でシャレた文章。 けれど、この小説のテーマは、じつに重い。。。 春は、サーカスのピエロのように、重力から自由になれたのかなあ。 …続きを読む
たこΩ
(2009年6月 7日)

今、その人間が死ぬのは、妥当なのか。その調査ため、1週間派遣される死神たち。 主人公の死神・千葉が、仕事にやってくる間は、いつも雨が降り続く。 雨男、なのだ。 また、どういうわけか、死神たちは無類の音楽好きである。 死を前にした人間と付き合いながら、 人間界ならではの「ミュージック」を堪能する。 街のCDショップでは、ヘッドフォンを …続きを読む
たこΩ
(2009年6月 3日)

春が二階から落ちてきた。大事な時には兄貴がいたから、いないと不安なんだよ。 泉水は遺伝子情報の会社に勤務している。弟の春から 「兄貴の会社が放火に遭うかも 知れない」 と留守電に伝言があった翌日、会社が放火された。春は、仙台の街で起きて いる連続放火事件と、現場近くの壁に落書きされた文字にはルールとリンクがあるという。 それを発見し …続きを読む
シカフ
(2009年5月31日)

ひょんなことから知り合った、奇妙な4人組。 理想的な銀行強盗を実現しようと、計画をたて、いざ襲撃。 ところが途中から、妙な事件に巻き込まれることになり… 現実からちょっとだけ浮いたところで、楽しい時間を過ごさせてくれました。 妙な価値観をもちながら、自分には正直なギャングたち。 カルくて、アカルくて、バカバカしいけど、しらけさせない …続きを読む
たこΩ
(2009年5月15日)

引っ越してきたアパートの隣人から、本屋襲撃を持ちかけられた大学生の「椎名」。 目的は、「広辞苑」を一冊、アパートの外国人にプレゼントするためだという。 2年前に市内で起った連続動物虐待死事件と、本屋襲撃から始まった現在、 2つの時系列が交互に描かれ、真相が明らかになっていく。 【ゴールデンスランバー】同様、 何が起ったのかを推理しな …続きを読む
たこΩ
(2009年5月10日)

妻を殺した男が、鈴木の目の前で車に轢かれる。「押し屋」と呼ばれる殺し屋の 仕業だった。復讐の横取りをされた鈴木は彼の後を追う。一方、自殺を強要する 能力を持つ自殺専門の鯨、ナイフ使いの蝉もそれぞれの事情で「押し屋」を追う。 大倉崇裕氏の【無法地帯】を思わせるような、非合法業界追っかけストーリーです。 妻の復讐のために、ちょっとダーク …続きを読む
シカフ
(2009年5月 2日)

小説一本に専念しないと、こういうすごい作品はつくれないのではないか―― 2001年冬、伊坂氏はSEとして働いている会社へ向かう途中、斉藤氏の曲 「幸福な朝食 退屈な夕食」を聴き、会社を辞めて小説に専念する決心をした。 そして2007年春、小説家になった伊坂氏は【アイネクライネ】を書き下ろす。 一方、斉藤氏はそれを原案に【ベリーベリー …続きを読む
シカフ
(2009年4月30日)

バンク/チルドレン/レトリーバー/チルドレンⅡ/イン 「俺たちは奇跡を起こすんだ」独自の哲学?を持ち周囲を巻き込む男、陣内。 どうやら彼が発散させる反発心や捻くれた言動は、彼の父親だった男に原因が あるらしい。そんな陣内が閉店間際の銀行で、友人と銀行強盗の人質となった ところから物語は始まる。彼の友人や後輩が語る、五編の連作短編集。 …続きを読む
シカフ
(2009年4月11日)

何でも金で買う画商、盗んだ目録を被害者に残す泥棒、画家志望だった新興宗教の信者、 配偶者の殺害計画を練る男女、連続不採用を更新する失業者。この五つのストーリーが、 表紙にもなっているエッシャーの騙し絵やバラバラ殺人事件を背景に、それぞれが複雑に 交錯して展開し、最後は、氏の狙いどころにすとんと落ち着くのです。また、ヤられました。 解 …続きを読む
シカフ
(2009年3月24日)

終末のフール/太陽のシール/籠城のビール/冬眠のガール 鋼鉄のウール/天体のヨール/演劇のオール/深海のポール 通常では有り得ない事態の上に日常が乗っています。その事態が何かを、書いては いけないと思うのです。私自身が読んだ時に「ヤられた」と思い、実に爽快だったので。 設定はそんな感じですが、基本は人間性を問われている物語なのではと …続きを読む
シカフ
(2009年3月14日)

伊藤は気付くと、百五十年前から外界と隔絶している島、“荻島”にいた。そこには、 未来がわかり言葉を喋るカカシの優午や、島のルールであり彼の理由で銃殺する事を 受け入れれている桜らが住み、「この島に欠けているものを島の外から来た者が置いて いく」という言い伝えがあった。伊藤が島に来た翌朝、優午が殺され頭が持ち去られた。 優午を殺したの …続きを読む
シカフ
(2009年2月28日)

死神の精度/死神と藤田/吹雪に死神/恋愛で死神/旅路を死神/死神対老女 千葉の仕事は、調査を行い、死を実行するのに適しているかどうかを判断する。 所謂、死神だ。一週間の調査の後、結果を「可」もしくは、「見送り」で報告し、 「可」の場合は八日目に死が実行される。千葉の調査した六話の連作短編集。 これは面白かったです。千葉が人間の言葉に …続きを読む
シカフ
(2009年1月28日)

仙台でのパレードを行う金田新首相の頭上で炸裂した爆弾。 元宅配ドライバーの青柳雅春が、首相暗殺の容疑者として挙げられる。 事件発生から2日間、絶望的な逃走に賭けた青柳。 彼はどうなってしまうのか? 「事件のはじまり」「事件の視聴者」「事件から二十年後」、 そして2日間の逃走を描く「事件」と続き、その顛末「事件から三ヶ月後」で終わる。 …続きを読む
たこΩ
(2008年12月29日)

極悪非道の悪事を生業とする会社・通称「令嬢」の寺原社長の息子が、 ある夕方、「押し屋」に背中を押され、交差点に飛び出し、事故死する。 息子を殺した「押し屋」を、血眼で捜す、寺原。 この事件が結末を迎える2日間を、3人の男の視点で書いている。 岩西という男と組む「殺し屋」の蝉は、たとえ子どもでも容赦しない。 「自殺屋」の鯨は、依頼され …続きを読む
たこΩ
(2008年6月14日)

30年の付き合いの果てに
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