【殺人調香師】 大石圭

殺人調香師

幼い頃から嗅覚の鋭かった柏木薫は、長じて調香師となった。多くの香りに囲まれて
暮らしている薫だったが、彼が求めているものはただひとつ『その薫り』だけだった。
『その薫り』をさせた女は、ごく稀にしか存在しない。薫が17歳の時、電車で出会った
女を殺め、死んでからの方が『その薫り』が更によくなっていくことに気付いてしまう。
そして、連続殺人鬼となった薫は、『その薫り』を求めて破滅へと向かう。


柏木薫は彼の手によるオリジナル香水を主に扱う店を任されており、店のオーナーは
『その薫り』を持つ女なのですが、残念ながらそれだけでは欲望を満たすことができず
町で『その薫り』に出会うと追っていき、死後さらに芳しくなる『その薫り』を味わいたい
欲望に抗えず、殺人を犯していきます。全く身勝手な話なのですが、淡々とお上品で
そうこなくちゃと思うツボを突いた話です。17歳、高校二年生で自分を生んだ母親が、
薫が6歳のときに失踪、それ以後、薫は無意識に母を追い求めている気がします。

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