
「廊下が長すぎる」 高宗総合病院で増改築工事の設計図の検討がされた時、当時の
外科部長が、手術部と外科外来との距離に対し呟いた言葉である。異議は却下された。
十年が経ち、十二指腸潰瘍手術後の患者が長い廊下の途中に呼吸が止まり、数日後
死亡した。麻酔を担当した窪島医師は責任を問われるが、術後の容態から麻酔事故は
考えられなかった。複雑な医局間の対立に翻弄されながらも、窪島は真相に辿り着く。
現職の外科医師によって書かれた、江戸川乱歩賞受賞作です。懐かしき医局制度は
1992年受賞を感じさせますが、病院の状況や小道具の使い方は流石現職と唸ります。
調査の過程もですが、真相に辿り着いた後に、窪島という人間がどのように行動するか。
その行動の果てに、窪島はどうなるのか。そこらへんの匙加減が個人的に好みでした。
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