オージー好みの村/廃墟に乞う/兄の想い/消えた娘/博労沢の殺人/復帰する朝
道警本部刑事部の仙堂は3年前に起きた事件の精神的後遺症のため、
1年近く療養生活を続けている。
仕事の一切を休み、月に一度の心療内科での診察のほか、暇をもてあましている。
回復の兆しを見せてはいても、発作の再発が気にかかる仙堂だが、
事件の相談をもちかけられたり、以前関わった犯罪者のその後を気にかけたりと、
結局、事件現場に足を運んでは、私的に捜査をすすめることになる。
私的な捜査という点で【制服捜査】の川久保巡査と、捜査への関与が制約されるところが共通している。その分だけ、警察組織にいるときよりも、犯人や被害者の心情に近いところにあり、事件の持つ切なさや割り切れなさがクローズアップされる。
「オージー好みの村」は軽い感じで肩すかしをくうが、ほかはずーんと胸に迫ってくる。
暗い過去をもつ青年の決断を描いた「廃墟に乞う」、
因果応報といってしまうにはあまりに悲しい「博労沢の殺人」など、切ない佐々木節を満喫。
(2010.4月17日読了)
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佐々木譲
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