新田次郎全集〈第6巻〉孤高の人 (1975年) ※古書なので画像ナシ
昭和初期の実在の登山家「単独行の加藤文太郎」の半生を小説化した本。
神戸の造船会社の研修生時代から山歩きを始め、めきめきと頭角をあらわした加藤は、会社員として限られた時間と資金のなか、単独行で冬山の難ルートを制覇していった。
分厚い本でもあり、いろいろな楽しみ方が出来る。
加藤文太郎の山行のすごさに感服するのはもちろんだが、
携行品や行動食については登山の実用書になっているし、
神戸での会社の話、恋愛がらみの話など、普通の小説としても面白い。
山の情景も素晴らしく、空の景色、星空、雪を踏む音、夜明けの峰々。。。
五感に迫ってきて、まるで自分が歩いているような気がする。
英雄伝と評価される本だが、実際に読むと、不器用でおっちょこちょいなところもある加藤の様子が可愛い。
最期は、加藤の人間らしい弱点が遭難へと追い込んでいったように思われて、切なかった。
実在の「加藤文太郎」が本名で出てくるが、新田次郎が創作した部分も多い。
本名を使用したのは、加藤文太郎の奥さんの強い希望があったと断り書きにある。
加藤以外の登場人物は仮名。 加藤自身による手記【単独行】を参考としたそうだ。
(2010.1月14日読了)
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はじめまして。
いつもこっそり書評をみさせてもらってます。
加藤文太郎のアウトローな生き方がかっこよく、
『孤高の人』は僕の大切な本のひとつです。
>山の情景も素晴らしく、空の景色、星空、雪を踏む音、夜明けの峰々。。。
五感に迫ってきて、まるで自分が歩いているような気がする。
文太郎の人物描写もさることながら、風景描写も素晴らしいですね。
『剣岳』『銀嶺の人』もお気に入りです。
51さん、こんにちは!
実は、私も51さんのサイトをこっそり読ませていただいておりました^^/
『劔岳』は仕事を目的としての登山で、視点が違っているのが興味深かったですね。『銀嶺の人』も気になりますv
新田次郎では、『八甲田山 死の彷徨』が一番気に入っています。
三島由紀夫の『豊饒の海』シリーズ、『春の雪』だけは読んでいたのですが、その後の展開が想像以上に凄そうですね。
余裕ができたら、ぜひ読みたいです!