江戸時代の歌舞伎を題材にとった短編集。
一世を風靡した役者と、その華やかさに翻弄される人の姿が、
絶妙な匙加減で描かれている。
表題作「似せ者」は、一代目坂田藤十郎亡き後、
京に連れてこられたそっくりさんの旅芸人、二代目藤十郎の話。
似せ者として生きることを望まれた彼が、手に入れたホンモノは…
「鶴亀」は、大阪の人気役者・嵐鶴助と、彼の我が儘に翻弄される興行師・亀八の話。
天才ゆえの天真爛漫さで周囲を振り回しながら、芸への執着から逃れられない鶴助。
ラストシーンでの亀八の行動が、無関心に装いながら、逆に鶴助に惚れ込みようを見せて、特に気に入ったシーンでした。
(2009.4月17日読了)
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