【きつねのはなし】森見登美彦

きつねのはなし
疎水、竹林、奥に深い造りの家… 京都に潜む魔物があちらこちらで顔を覗かせる、
ちょっとホラーな四つの物語。
あいまいなオチが、物語の魔物をそのまま日常に溶けこませている。
魔物はどこの町でもいるような気がしますが、ここに登場する魔物は、いかにも千年を超えた町に棲むものらしい。


四つの物語は直接つながりはないけれど、胴の長い狐に似た魔物、小さな柿にとぐろをまく龍の根付などが、話の端々にひょっこり出てくることで、少しずつリンクしている。
森見氏の小説全体でも、ちょっとしたキーワードがつながっていくことで、摩訶不思議な京都を作り出していますね。


竹林に囲まれた、仄暗い古い屋敷の奥で、不思議な取引を重ねる天城氏の、
冷酷で寂しげなセリフが印象に残りました。
(2009.1月26日読了)

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