
東京航空交通管制部のレーダーが異変を知らせる、最初の場面。
圧倒的な臨場感を感じさせる文章に、さすがだな、という気持ちに混ざって、
当時ニュースを見ながら感じた恐怖感がよぎる。
「事実に基づき、小説的に再構成した」と、著者の断り書きがある。
異常発生から墜落までの経過の分析、事故後のボーイング社の対応など、
改めて知る部分も多かった。
ただ、登場人物が善と悪に二極化し過ぎているのでは、という疑問が。両者をより真実に近いかたちで描いた方が、この事故の重みを伝えることになったのではないだろうか。
また、前編【アフリカ編】で取り上げた労使関係については、この事故の原因として大きく関わっていたはずなのに、ここではほとんど取り上げられていない。整備員・乗員らの事故当時の勤務状況などに触れてほしかったので、やや残念。次の【会長室編】にこの部分が書かれていることに期待。
(2008.10月25日読了)
【沈まぬ太陽-アフリカ編-】のレビューはこちら
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山崎豊子
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>登場人物が善と悪に二極化し過ぎているのでは
う、確かにそんな気もするような!
先日読んだ「ジーン・ワルツ」の中で、遠まわしながら山崎さんの「白い巨塔」では大学の医局制度が諸悪の根源的な描かれ方をしていたけれど、現実はそうじゃないんだ、みたいなことが書かれていたんですよ。
おそらくは山崎さんの正義感がそうさせるんだろうと思うんだけど、確かに二極化のしすぎ、というのはありそうです。
筆力のある作家さんだけに、ついそのまま受け止めてしまいそうになるけど、その辺は冷静に読まないといけないのかも。
そういえば、横山秀夫さんの「クライマーズ・ハイ」って読まれましたか?あれも御巣鷹事故の話なんだけど、やっぱり、墜落当日の描写は、息苦しくなるようでした。
私も思い出します。後で見つかった遺書とか・・・。
>現実はそうじゃないんだ、みたいなことが書かれていたんですよ。
そうなんです、lazyMikiさんの記事を読んで、やっぱりそういう部分もあるのかな、と思ったんですよ。
事故当時の社長は、後に酸素ボンベを背負ってまで、慰霊登山されていたということだし、
「悪」として描かれていたトップの人たちにも違う面があったのでは、と思うのですよ。
たしかに、この作品の迫力には、ぐいぐい引っ張られていくんですけどね。。。
【クライマーズ・ハイ】読みましたよ! 横山さんは当時新聞記者をされていたそうで、現場に近いところにいた迫力が滲み出ていますね。
あの遺書、事故当時の報道でも印象的でした。「残念だ」の言葉があまりにも辛くて。