「あなたの手で、天才を育ててみない」 -
臨床心理士の深谷から、そう持ちかけられたチェロ奏者の東野秀行は、
音に対して並外れた感覚をもつ少女、由希と出会う。
人間的な感情とは遠い、残酷さをむきだしにした由希の性格。
そして、彼女の持つ特殊な能力…。
真の音楽性を追求しようと由希の能力にのめりこみながら、東野は壊れていく-。
ホラーです。
でも、怖ろしいのは、ホラーっぽく演出された部分ではなく、
臨床心理士・深谷や東野の、由希のもつ能力や存在に執着していく欲望の方。
大山尚利の【揺りかごの上で】も、
ホラーっぽいところより、赤ん坊との穏やかな幸福にのめり込む主人公が怖かった。
何かに執着する人間より、怖いものはないってことか。 (2008.9月17日読了)
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篠田節子
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