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【シャクルトンに消された男たち―南極横断隊の悲劇】ケリー・テイラー・ルイス


シャクルトンに消された男たち

この本は、先日書いた【エンデュアランス号大漂流】のもうひとつの物語。
20世紀初頭、人類初の南極大陸横断を目指した、イギリスの探検家アーネスト・シャクルトンは、
この計画のために、もうひとつの船で「ロス海支隊」を南極大陸に上陸させた。
「ロス海支隊」上陸組10名は、シャクルトン率いる本隊ために、
食料・燃料などの補給基地を、極点近くから数箇所にわたって設置する任務を負っていた。
シャクルトンは、横断中、不足するであろう物資を、ここで補給しながら進む計画なのだ。


考えてみれば、「ロス海支隊」の任務は、横断隊以上にキツイのではないか。
自分たちに必要な物資とあわせて、補給基地に必要なものまで、
往復をくりかえしながら、極点近くまで運ばなければならないのだから。
出発前の資金不足による、準備不足。
「ロス海支隊」は、悲惨な状況なか、
最初の計画に従い、極点近くの補給基地設置まで、全てやり遂げた。


この本は、支隊の南極での任務だけでなく、
シャクルトンのスポンサー集めから始まって、隊員のその後の生活まで、
日記・手紙・さらに領収書の類まで調査して、つぶさに明らかにしている。


「ロス海支隊」は、南極での過酷な任務を遂行するなか、3人の隊員が命を落とす。
題名の「シャクルトンに消された男たち」は、この3人を指すだけではないように思う。
本隊を全員生還させたシャクルトンは、その後、支隊の隊員たちも厚遇した。
けれど、この支隊の存在は、現在ほとんど知られていない。
「全員生還」に傷をつけるであろう、支隊の存在は、
シャクルトンの栄光の影になり、歴史のなかで「消された」ようなのだ。

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